(mizuaoiの写真館改題)

(こちらは石川の植物の別館です)

 私の基本ホームページ「石川の植物」の別館が、現在閲覧不能になっております。そこには石川の植物のFILEの8割ほどが入っているので皆様にご迷惑をおかけしております。そこでサーバーを替えて、閲覧不能のFILEを改訂しつつアップし直すことにしました。

98 ヒメヒゴタイ  Saussurea pulchella (Fisch. ex Hornem.) Fisch.   キク科

図1 石川県で見るヒメヒゴタイは海岸型で背が低い
図2 風当たりの強い場所では、丈が6cmのもの 図3 藪の中では90cm強のものまで様々である
図4 真上から見た開花初期のヒメヒゴタイ。蕾の時から十分美しい。葉は深い切れ込みをもった独特の形である
図5 開花初期の頭花のクローズアップ

 しつこく花序(頭花)を掲載しましたが、こんなきれいな野生の花があってもよいものかと思えるくらいの美しさなのです。この喜びを皆さんと分かち合いたいのです。

図6 蕾(つぼみ)

 ヒメヒゴタイが美しいのは花冠だけではありません。総苞片の先端に円形で乾膜質の付属体がありそれが淡紅色をしているので、蕾の時も華やかで美しいのです。
 では、花の構造を詳しく見てみましょう。


図7 蕾の中から花冠が伸び、花冠の間から葯(雄しべ)が伸びてきた 図8 葯の先端から花粉が押し出されてきた
図9 柱頭が伸がびてきて葯の中の花粉を押し出す
図10 花粉を押し出して伸びた柱頭は、始めI型で、後に開いてY型になり、ついには反転する 図11 Y型になった柱頭は反転して、花粉を受け取る準備ができる

 他のキク科の多くの花と同様、葯が雌しべを取り囲んで葯筒となり、内側へ花粉を放出します。雌しべが伸びてきて花粉を葯の囲みから外へ押し出します。この時、柱頭の外面にある小突起(図12)が、ブラシのような働きで葯筒の中の花粉を押し出します。その後、柱頭が2つに割れて反転し、その上面で花粉を受け取るようになっています。
 したがって、通常自分の花の花粉は、自分の花の柱頭には付かない仕組みとなっています。

図12 葯筒の内部の様子。柱頭の突起には2種類あって、柱頭の外面に付く突起は、花粉を引っかけながら押し出す小突起で、柱頭と花柱の境界にある大突起は、小突起で取りこぼした花粉をまとめて押し出すためのものであろう。この写真では、すべての花粉を押し出すことができないように見えるが、葯筒を解剖したときの作業で葯筒が開いてしまったからなのだろう、今後さらに精密な観察が必要である。

図13 柱頭の外面には、花粉を葯筒から押し出すための小突起が付いている  図14 柱頭外面の小突起と柱頭と花柱の境界にある大突起が分かる。反転した柱頭の上面には花粉が付いている。 

 花に顔を近づけるまでもなくじつに良い香りが、菊の香が漂ってきます。花をよく見る(図15・16・17・18)と小さな液滴が沢山付いています。化学分析をしなければ、科学的とは言えないのでしょうが、おそらく、香りをもった蜜なのでしょう。図15のようにアリも来ています。

図15 総苞片の液滴を食べに来たアリ
図16 総苞片の付属体との境界付近には多数の液滴が出ている
図17 花冠全体にわたって液滴が見られる
図18 液滴の拡大画像
図 19 根生葉など下方の葉は深い切れ込みをもつ 図20 茎にある縦溝も重要な特徴
図21 訪花昆虫(ベニシジミ) 図22 訪花昆虫(オオハナアブ)
図23 訪花昆虫(クマバチ) 図24 訪花昆虫(コアオハナムグリ)
図25 訪花昆虫(ヒメハラナガツチバチ?) 図26 訪花昆虫(ヒメアカタテハ)

訪花昆虫の和名は、昆虫探検図鑑1600(川邊 透.全国農村教育協会)を基に絵合わせで同定したものですが、間違いがあればご教示下さい。特に、ヒメハラナガツチバチはキンケハラナガツチバチかもしれませんがはっきり分かりません。昆虫に詳しい方からの情報をお願い致します。

図27 丘の上の開花期の大群落(2016年10月11日)
図28 上図と同じ場所の果実期(2016年11月18日)
図29 果序
図30 果実
図31 自生地にはロゼット状の若い株も多数見られる。10月19日に撮影されたこの株は、この年には開花しない。
 図鑑には「二年草(秋に発芽し、翌年は栄養成長を行い、翌々年(2年目)に開花・結実する草本)」とあるが、実際は、可変性二年草と呼ばれるべきもので、必ずしも2年目に開花するとは限らず、3年目あるいはそれ以降に開花することもある
図32 1回繁殖型の植物で、開花結実後は枯死する

本稿は、さらに訂正増補して、植物生態観察図鑑 第3集 なるほど編(仮称)に、収載される予定です。御期待ください。


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