(mizuaoiの写真館改題)

(こちらは石川の植物の別館です)


植物生態観察図鑑 おどろき編
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第2弾 植物生態観察図鑑 ふしぎ編 初校返しました。夏頃には完成するでしょう。御期待ください

 オウレンの性型については、植物図鑑では、雌雄異株とか、両性花と雄花とがあるなど、様々な記述があるが、実際の所は「両性花の株、雄株、雌株、両性花と雄花の混ざった株」が見られる。
 植物図鑑の記述を鵜呑みにするのではなく観察が重要である。
 オウレンの性型についても8ページにわたって詳しく解説。
 右の画像はオウレンの雌株。

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石川の植物


354 リュウキュウサネカズラによせて
           2017年7月2日
 神戸大学 Research at Kobe に「100年前に台湾で報告されるも既知種とされていた植物を日本で再発見 ― 」(2017.06.30)という記事が載っています。

 神戸大学大学院理学研究科の末次健司特命講師、台湾林業試験所植物標本館のTian-Chuan Hsu氏、在野の植物研究家である当真嗣尊氏、岐阜大学教育学部の三宅崇准教授、香港大学のRichard Saunders教授は、琉球列島において、これまで認識されていなかった木本植物「リュウキュウサネカズラ」の存在を明らかにしました。

 この植物は、1917年に台湾で発見されていましたが、当時の報告が不正確であったため、これまでは既知種の「サネカズラ」と同種と考えられていました。今回、およそ100年ぶりに発見された個体を含め検討することで、この植物がサネカズラとは別種であることを明らかにしました。

 在野の植物研究家である当真嗣尊氏は、沖縄県以外で見られるサネカズラの雄しべの集合体が常に赤色であるのに対して、沖縄本島の「サネカズラ」では黄色であることが多いことから、沖縄産は「サネカズラ」ではない可能性に気が付きました。

 記事の詳しいことは「http://www.kobe-u.ac.jp/research_at_kobe/NEWS/news/2017_06_30_01.html」でご覧下さい。

 サネカズラとリュウキュウサネカズラの違いのポイントは、
サネカズラ 隣接する雄しべの葯が接する 葯隔の色が赤色
リュウキュウサネカズラ 隣接する雄しべの葯が接しない 葯隔の色が黄色。稀に赤色のこともある

サネカズラ
 
図1 サネカズラの雄花。白い部分は葯から出た花粉が見えている。赤い部分は葯隔といわれる部分である。白い葯が向き合っているが、それぞれ別の雄しべの葯が接しているのである

 雄花は、中央に鮮やかな紅色に白色をちりばめた雄しべが球状に集まっており、とても美しい。ちりばめられた白い部分は葯(半葯)であるが、その間に見える赤色の部分は葯隔というものである。雄しべはふつう、葯と花糸からできており、葯は雄しべの中で花粉を生成し収納する部分で、ふつう2室からなる2個の半葯と、半葯をつなぐ葯隔とよばれる組織からなっている。葯隔は多くの花では狭いが、サネカズラでは横に広がり、その両端に葯(半葯)が付いている構造である。従ってサネカズラの雄しべを構成する葯(半葯)は離れた位置にあり、隣接して見えているのは隣り合った別の雄しべの葯である。

図2 植物生態観察図鑑−おどろき編の130頁で解説した雄花の構造
図3 図2の中の(図6)の詳細図。半葯(a+b)、半葯(c+d)とそれの間の組織である葯隔で1個の雄しべとなる
図4 図3の青点線の位置で切断した図。広い面積を占める赤色の箇所が葯隔であることが良く分かる

 雄しべを縦断した図4を見ると半葯をつなぐ葯隔の組織が広い面積を占めていることがよく分かるであろう。上記記事のリュウキュウサネカズラの写真を見ると、個々の雄しべが離れており、そのことが解剖しなくてもはっきり分かる。

 サネカズラの雄花の構造は「植物生態観察図鑑−おどろき編」(全国農村教育協会)の130頁を直接読んで頂きたい。


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