(mizuaoiの写真館改題)

(こちらは石川の植物の別館です)


植物生態観察図鑑 おどろき編

全国農村教育協会発行の植物生態観察図鑑シリーズ第1弾です。

 ヤドリギの種子は粘液質の果肉に包まれ、鳥のくちばしに付いたり、糞といっしょに一緒に排泄されたりして散布される……(山溪ハンディ図鑑3 樹に咲く花による)
 と思っていませんか、それは正しくありません。
 そのような疑問にズバリと答を出します。

など、どんな類書にもない新情報が写真607枚、192ページで納められています。

 

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石川の植物


283 オニバス物語(1)(2014年)
 2011年に石川県の輪島市で、オニバスが発見された。
その詳しい経緯とオニバスの生態については拙著「植物生態観察図鑑−おどろき編−」(全国農村教育協会)で紹介した。
今回のファイルは、その続編と言うべきもので、今年1年間の輪島市産オニバスの様子を余すところ無く(というわけにはいかないが)取りまとめたものである。「植物生態観察図鑑−おどろき編−」と併せて読んで頂けると幸いである。

1 今年最大のトピックは栽培容器の大型化
 昨年は、直径1.5mの丸形ビニールプールで栽培していた。大きな容器だが、直径1mに近い葉が育った場合には2枚ほどで一杯になってしまい、葉の発育に問題があった。そこで、さらに大型の角形ビニールプールの導入に踏み切った。
鉄パイプで枠組みされた縦145cm、横235cm、深さ32cmの大型プールである。これを庭の隅に置いて1株だけ栽培して、葉が何枚発育するのか、花がいくつ咲くのか、種子が何個できるのかなどを極めたいと思った。

2 発芽
図1 自作のアクリル水槽に沈めて置いたオニバスの種子に大きな気泡が見られた。何らかの新陳代謝が起こっている兆しである(5月21日)。発芽の瞬間を見たかったが、なかなか次への変化が見られないので興味を失って放置していた。図2へ続く
図2 久々にアクリル水槽を覗いたところ12株の若苗が見られた。 結局、発芽の瞬間は見損なった。ほとんどの個体ではすでに第4葉まで伸びていた。(7月1日)
 
図3 上記水槽中の発芽個体をすべて掘り出してみると、ほとんどの株で小さな第5葉が伸び出していることが分かった。この画像には12株しか写っていないが、後に1株発芽して、20個の種子中13個が翌年(1年目)に発芽したことになる。オニバスの1年目の発芽率としては高いが、別の20個の種子を入れた容器では、発芽数0であった。オニバスの発芽は、どのような要因によって左右されるのだろうか?
図4 丸形ビニールプールで発芽した内の1株を角形ビニールプールへ移植した。冬の間に、土と肥料を入れて沈めて置いたコンテナにオニバスの苗を1株だけ植えてある。(2014年6月15日)

3 葉
 第1葉は細い針状の葉。第2葉は裂片の幅が細い矛型。第3葉は裂片の幅が広い矢尻形。第4葉はヒツジグサ型。その後に伸びてくる葉は、次第に、切れている箇所が閉じて円形の葉になる。誤解の無いように願いたいが、展開した葉の切れ目が閉じてくるのではなく、「より切れ目が狭くなった、円形に近い葉」が次々と展開してくるのである。また、最後には直径1mを超すような大きな葉になるのだが、それは、例えば図5にある長径30cmの葉が、どんどん大きくなるということではなく、より大きくなれる葉が次々と展開してくるのである。
図5 切れ目の箇所に組織が発達して、次第に切れ目の塞がった葉が、次々に展開してくる。
図6 円形プール内の3株のオニバス。いろんな発育段階の葉が見える。
図7 角形プールの株が成長して大型の丸い葉を多数展開してきたので、識別のために古い葉から順番に符号を打った。新しく展開した葉ほど大型になっていることが分かるであろう。(2014年8月4日)
図8 A〜Gの葉の展開位置から察すると、次に出てくるH葉はF葉の下に位置すると考えられる。すなわちF葉が邪魔になるはずなので、先手を打って、F葉を採取して標本にすることとした。葉の大きさをイメージし易くするためにF葉に新聞紙を乗せてみた。(2014年8月9日)
図9 F葉を取り除いたところ、水面が広くなった(2014年8月9日)。
図10 この頃になって、葉の大きさをどういう基準で測定して良いか迷いが生じてきた。
 葉は円形であるとはいえ、真円ではなく、おまけに円形になったとはいえ、切れ目が完全に塞がったわけではない。また、長径と短径があるが、どこにポイントを置くかが難しい。さらに、長径が縦径で短径が横径であるとは限らない。
 @ 縦径は白線、黄線、赤線のいずれの位置で測定すべきか。
 A 横径は葉の最大幅で測定すべきか(黄線)。あるいは、葉柄の着点を通り縦径に直角の位置(赤線)で測定すべきか。
等の問題である。この葉の場合、縦の赤線では約120cm、白線では約113cmと測定値に7cmも差が出ることになる。
 私としては、来年は縦・横ともに赤線の位置で測定するように統一したいと考えている。縦・横ともに葉柄の着点を通ることがポイントである。
図11 F葉の跡の隙間にH葉が伸びて、水面はほぼオニバスの葉で覆い尽くされてしまった。H葉は最終的に長径が140cmにまで育ちこの年最大の葉となった。(2014年8月22日)
図12 その後、J葉がG葉を突き破って生長し、2階建てになったことは、「mizuaoiの写真館 274・275」で報告したとおりである。(2014年8月28日)
図13 以後に展開した葉はあまり大きくはならず、それぞれの葉の寿命が尽きるとともにプールの中は寂しくなっていく。(2014年9月8日)
図14 とうとう小型の葉が1枚になってしまった。(2014年10月24日)
図15 葉を食べまくる害虫 イモムシ  何者かに捕食されたのか翌日には姿が見えなくなった。
図16 葉を食べるアマガエルのオタマジャクシ 

葉の展開は、オニバス物語(2)へ続く


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