mizuaoiの植物観察事典                                      

植物生態観察図鑑 おどろき編  
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石川の植物

280 オニバスの種子散布2(2014年10月13日)

 このところ、連日のようにオニバスの種子が浮かんできます。
完熟すると、果皮が溶けて、果実中の種子が水中へ浮かび出ます。ただしその瞬間を見る事は極めて困難です。なにしろ、深夜から未明にかけてであることが多いからです。夕方見たときには、何の変化もなかった水槽に、翌朝沢山の種子が浮かんでいることがほとんどです。
 10月6日の午前中、何の変化もなかった栽培プールでしたが、午後3時頃に覗いたときには、ぽっかりと種子の集団が浮かんでいました。珍しく日中に種子を解放した果実です。それでも、5個ほどの種子がすでに集団から離れて散らばっていました。
この集団はわずかの風で、水面をスルスルと流れていきます。種子と種子の間の乳白色の柔らかな組織で辛うじてつながっている種子は、やがて離ればなれになって、水面へ散らばります。翌日の午後には栽培プール一面に分散していました。
 この果実は水中に沈んだままで一度も水面へ出てこなかったものでしたが、大型だったので楽しみにしていたものです。散らばった種子をすべて拾い集めたところ、119個の完熟種子と十数個のしいな(熟さなかった種子)でした。種子も大きく、350mlのペットボトル一杯の収穫でした。
8日に、仮種皮を取り除いた種子本体の大きさは、1例ですが11.9mmありました。
これだけ沢山の種子ができていたところをみると、閉鎖花由来の果実だったのでしょう。
別の水槽で5日の果実では9個、7日の果実では13個しか種子が得られていませんから、いかに立派な果実だったかお分かり頂けるでしょう。
この栽培プールには、未だ9個の果実があるので、楽しみが続きます。

☆ 関連してmizuaoiの写真館 277 オニバスの種子散布もご覧下さい。
  http://mizuaoi.photo-web.cc/277onibasunosyusi.htm
図1 オニバスの果実は熟してくると表面が種子の形に凸凹してくる。
図2 果皮が溶けて種子の塊がポッカリと水面に浮いてくる。自然界で見るのはおそらく至難のことである。わずかな風でも揺らいで動き回り、どんどん崩れていくからである。10月6日に得られた種子。
図3 浮かび出て間もない頃の種子の塊。10月13日に得られた種子。
図4 種子と種子の間には乳白色の柔らかい組織があり、これが水に溶けて種子が分散する。
図5 種子が散らばる。
図6 種子は紅い斑点のある仮種皮に包まれている。
図7 仮種皮を外して種子の大きさを測定した。
図8 この日得られた119個の種子を350mlのペットボトルに入れたら一杯になった。
図9 れは10月13日に得られた種子であるが、果皮が溶けてからあまり時間が経っていなかったのでしっかりと手ですくうことができた。時間の経った種子の塊では、FILE277の図2のように、重力で崩れてしまう。

 
 このほか、ガスの存在を示す証拠写真などオニバスの詳細については「植物生態観察図鑑−おどろき編」(全国農村教育協会でただいま好評発売中)の106ページから127ページで紹介してあるので、ぜひお読み頂きたい。


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