mizuaoiの植物観察事典                                      

植物生態観察図鑑 おどろき編  
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石川の植物

272 輪島産オニバスの葉を標本にする(2014年8月10日)

 8月10日、石川県には台風11号の接近が予報されていました。そこで前日の内にオニバス対策を施しました。大きな葉を水面に広げているオニバスは、意外と風に弱く、強風にあおられてひっくり返されてしまうことがあるからなのです。
じつは、オニバスのプールが狭くなったので、葉を取り除いて標本にしたいと考えていましたが、もったいなくて、何時にしようかと悩んでいました。そこで丁度良い機会なので、その内の1枚を切り取りました。刺だらけで痛いのは分かっていましたが、直径1mを超す大きな葉は、壊さないように部屋へ上げるのが大変でした。これ以上大きな葉ができても、取り込むのは困難です。
図1 縦1.45m、横2.35mの栽培プールが一杯になった
図2 右上にあった大型の葉を採取した
図3 縦1.06m、横1.15mの葉(裏面)
 大きさの測定:どの部分で測定するかによって1〜2cmは狂うのでおよその値と思って下さい。特に裏から測定するときには葉柄を避けてメジャーを当てるので誤差が大きくなりますが、今回の測定値は、縦1.06m、横1.15mでした
図4 今回の新発見は、葉脈の太さの違いでした。1本だけ細い葉脈(矢印)がありました。これは、ヒツジグサ型の葉の切れ込み部分が塞がって丸葉ができたときに、塞がった箇所、つまり、塞がった時の継ぎ目が葉脈になっていることが分かりました
図5 ヒツジグサ型から丸葉まで、各種類の型の葉が観られるので裂け目が塞がっていく様子が分かる
図6 特別に細い葉脈(別株の写真)。極端に貧弱な葉脈であることが分かる
図7 葉脈は障子の桟のように盛り上がり、薄く広い葉を支えている
 こんなに大きな葉は新聞紙で押し葉を作るのは無理です。というより、私は、この大きさを実感できるような標本を作りたいのです。
そこで、木枠を作ってシリカゲルを敷き詰め、オニバスを載せ、さらにシリカゲルを被せて、ビニールで覆い、原色押し花を作成する要領で、乾燥標本を作ることにしました。
 シリカゲルは以前から使用していたものですが、いわゆる一斗缶で2缶分、重量にして25kgも必要でした。葉柄と葉身の付け根の箇所の葉脈の高さが3cm近くもあるので、大量のシリカゲルが必要なのです
図8 1.3m四方の型枠にシリカゲルを敷いてオニバスの葉を置いた
図9 さらに、オニバスの葉をシリカゲルで覆い、全体をビニールで覆って乾燥させる
図10 台風の影響は弱く、多少雨風が強かっただけであったが、一部の葉はまくれ上がってしまった。再現画像

 結局、台風はほとんど影響なく無事に過ごせました。
 プールに残ったもう1枚の大きな葉が裂けて、かつ、ひどく凹んだしわになっていました。現場を直に見ていないのですが、風にあおられて折れ曲がってまた元に戻った姿と判断しました。


☆ オニバスの生態についての詳しいことは、上記「植物生態観察図鑑−おどろき編」(全国農村教育協会)で、22ページにわたって解説してありますので、ぜひお読み下さい。


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