mizuaoiの植物観察事典                                      

植物生態観察図鑑 おどろき編  
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石川の植物

261 ベニバナセンブリとハナハマセンブリ(2014年6月8日)

図1 ベニバナセンブリとハナハマセンブリ
図2 朝7時14分。開花したベニバナセンブリ。葯は少し裂けているが、未だ捻れてはいない。中央の花は前日に開花したもので、この日は2日目の状態である。
図3 7時37分。未だ葯の捻れは起きていない。
図4 8時1分。葯が捻れだした。
図5 9時10分には、はっきりと捻れている
図6 図5の一部をトリミングした
図7 ベニバナセンブリの根生葉の状態。残っていると言うべきか、枯れつつあると言うべきか
図8 ハナハマセンブリの根生葉の状態。残っていると言うべきか、枯れつつあると言うべきか

  例年6月初旬に開花するヨーロッパ原産の帰化植物ベニバナセンブリとハナハマセンブリが今年も6月4日と5日から開花しました。ベニバナセンブリとハナハマセンブリはよく似た植物で、クローズアップで見ないと区別が難しいです。引いた全体像の写真では間違って名前を付けられていることもしばしばです。
例えば、日本の帰化植物 平凡社 初版第1刷のベニバナセンブリの写真(PL70)はハナハマセンブリのように見えます。日本帰化植物写真図鑑 全国農村教育協会 第1刷 のベニバナセンブリの写真(p.227)もハナハマセンブリの写真ですが、こちらは、ハナハマセンブリの間違いであることに気づいて、正誤表が配布され、解説文もハナハマセンブリに書き換えられています。
このように両図鑑が写真を間違え、しかも両書共にハナハマセンブリの写真であるということで、ベニバナセンブリの実態が分かり難くなっています。
 しかも、なかなかさんのホームページ「花*花・flora」によれば、全国的な分布状況はハナハマセンブリの方が多いようです。従って、多くの人がハナハマセンブリのすばらしい紅色の花を見て、なるほど、これぞ名にし負うベニバナセンブリと誤認している例が、ネット上にはしばしば見られます(ベニバナセンブリで検索して出る画像にはハナハマセンブリであるものが多い)。
 また、図鑑には、花の時期に根生葉がロゼットを形成する(ベニバナセンブリ)か形成しない(ハナハマセンブリ)かが両者の区別点だとの記述があるので、根生葉で区別をしている人も居ますが、これは決定的ではありません。根生葉の状態では区別はできません。
 今回、根生葉の状態も「mizuaoiの写真館」に掲載しましたのでご覧下さい。
 クローズアップで花の写真を見ると両者は明らかに区別ができます。ベニバナセンブリは柔らかな紅色で、ハナハマセンブリはくっきりとした紅色だからです。また花の大きさや葯の大きさ、花弁の形状も異なります。しかし、両者を並べてみることのできる場合には明瞭ですが、どちらか一方だけしか見られない場合には、紛らわしいことでしょう。
 なお、この植物は葯がねじれて花粉を絞り出す?のが特徴ですが、開花直後の葯はねじれていません。時間経過とともに次第にねじれてきます。その様子も撮影してみました。
 この両種の区別点については、3月に出版した拙著「植物生態観察図鑑 おどろき編」(全国農村教育協会)のp.175から183の9ページにわたって詳しく解説してありますので、お読み頂ければと思います。

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