mizuaoiの植物観察事典

244 濁流に洗われるサツキ(2013年6月21日)

図1 濁流渦を巻く水面すれすれで咲くサツキ(A 、B 、C)(6月19日)
図2 水が少し引いたところで水面下の岩が見えるとともにサツキ(D、E)も見えてきた(6月20日)
図3 図2のD株をトリミングで拡大したもので、花が痛んでいることが分かる。
図4 図2のE株をトリミングで拡大したもので、蕾と痛んだ花だけになっている。
図5 川中の大岩を飲み込んで渦巻く濁流(6月19日)

 石川県では白山市を流れる手取川に渓流沿い植物と呼ばれるものが自生しています。
急流の河川の河床および川岸に生育し、普段は陸上生活をしているように見えるが、増水したときには水没するような場所に限って生育する植物群で、ケイリュウタチツボスミレ、ユキヤナギ、ネコヤナギ、サツキなどです。
 サツキも渓流の水際に生育しますから、増水時には水没する事は確実ですが、やはり現実に水没しているところを撮影したいものだとかねて思っていました。
 しかし、そのような時にサツキの生育地へ近づくことは、万一の事態を考えるとなかなか実行できないでいました。
 ようやく6月18日に梅雨入りした石川県では、雨が降り続き、19日にかけて激しく降りました。石川県加賀地方では白山吉野で午後7時30分までの24時間の降水量は 62.0mm でした(七尾市で19日の午後7時40分までの24時間の降水量は219.0mmと同地点の観測史上最大であったと報じられました。)。
 思い切って、危険な行動はしないとのお約束で、様子を見に行くことにしました。撮影ポイントを探して、橋の下を眺めたら、茶色の濁流が流れているすぐ上のところに何株かのサツキの花が見えました。水面下にもきっとサツキがあるに違いないのですが、濁流のためにそれは見えません。
 20日、雨が収まったので、再び訪問しました。未だ水は濁っていましたが、何より水量がずいぶん少なくなっていました。近くの水門に水量計がありましたので、昨日の水面とこの時の水面の差を比べたところ、昨日より1m60cm減水していました。昨日水面下で濁流に洗われていたサツキが見えるはずです。
 ありました、ありました。遠くて鮮明には写りませんでしたが、サツキを見ることができました。
 昨日水面上に見たサツキは、しっかりと花が開いていましたが、今日現れたサツキは蕾ばかりです。開いていた花が流れに引きちぎられてしまったからでしょう。開いた花もいくつかはありましたが皆痛んでいました。どうやら観察の目的は達成できました。
 
 渓流沿い植物については「石川の植物」のケイリュウタチツボスミレ、サツキのFILEをご覧頂ければ幸いです。

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