mizuaoiの植物観察事典

215 立ち上がるキンキエンゴサク(2012年5月)

図1 背の低いキンキエンゴサクの群落の所々にすっくと立ち上がった奇妙なキンキエンゴサクがあった 
図2 病変というか、菌が付いているように見える
図3 病変というか、菌が付いているように見える
図4 こちらはヤマエンゴサクだが、同様である
図5 裂けた夏胞子堆の顕微鏡写真
図6 表皮の下に「夏胞子堆」ができて、宿主の表皮を破って外へ顔を出してから、てっぺんが裂けてミルククラウンのようになり、胞子がこぼれるのであることが分かる。

 帰化植物MLで、立ち上がるアメリカフウロについて話題になっていますが、こちらは帰化植物では無いのですが、当地のキンキエンゴサク、ヤマエンゴサクにも立ち上がるものが地域によっては多発しております。
 病変が葉の裏に多かったせいか、初めは病変に気づかず、奇妙なキンキエンゴサクがあるな、といった感じで見ていました。そのうち、立ち上がっている姿が気になって撮影しましたが、手に取ってみるというところまでは行きませんでした。未だに気持ちが悪いので触ってはいませんが、最近、確かに病変であるという状況が離れていてもはっきり分かるものに出会い、撮影したものです。
 何が起こっているのでしょうかね。

 サビキン類で、王冠状のものは「夏胞子堆」というものであることをメールで教えて頂きましたので、6月1日に再度、現場へ行ってきました。
キンキエンゴサクというのは、カタクリなどと同じく スプリング・エフェメラルなので、早春に花を咲かせ、木々の葉が茂る頃には地上部が枯れてしまいます。
この時期にはほとんど枯れてしまっているのですが、一部で枯れ残っているものがあり、カビも付いていたので葉だけを採集して、気持ち悪かったのですが、勇を鼓して顕微鏡観察をしてみました。
 表皮の下に「夏胞子堆」ができて、宿主の表皮を破って外へ顔を出してから、てっぺんが裂けて胞子がこぼれるのであることが分かりました。
うす黄色いミルククラウン状の構造は、「夏胞子堆」の皮(?)の裂けたものだったということです。

 参考文献:細矢 剛・出川洋介・勝本 謙・伊沢正名 カビ図鑑 全国農村教育協会

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