mizuaoiの植物観察事典    

172  フサタヌキモから生えてくる緑藻(2011年3月19日)

図1 フサタヌキモの殖芽(2011年2月8日)
図2 殖芽から葉を外して顕微鏡で観ると、長いものや短いものなどいろいろの緑藻がフサタヌキモ
の裂片から生えているかのように見える。
図3 緑藻には基礎があるようだ。
図4 フサタヌキモの裂片には多数の基礎(繁殖体)が着生して、そこから緑藻が伸びている。 
図5 緑藻は褐色の基礎(繁殖体)から伸びていることがはっきりと見てとれる。
図6 緑藻は褐色の基礎から伸び出しているようだ。
図7 緑藻の細胞

 フサタヌキモを栽培しています。
 今の時期(3月18日)、冬を越した殖芽(冬芽)が展開を始めております。タヌキモの仲間やムジナモの
栽培では、増えてくる緑藻が大敵で、緑藻に絡まれて元気がなくなってしまうことがよく見られます。
 一見きれいに見えるフサタヌキモの葉も顕微鏡で観察していますとかなりの緑藻に絡まれているのが
分かります。しかし良く見ると、単に絡まれているのではありません。

フサタヌキモから生えているのです。

 緑藻類のことはさっぱり分かりませんが、普通に見るアオミドロとは違うようです。褐色の物体から成
長してくるようなので、この褐色の物体が繁殖体で、フサタヌキモに着生し、発芽して細胞分裂を重ねて
成長していくのでしょう。繁殖体から発芽した最初の細胞は、根元が細いので楕円体状で、その後に分
裂して増えた細胞は全体が同じ太さで、円柱形です。
 図6のものは、基礎の部分もろともに剥がれて水中にあったもので、このように着生部から離れて
分布を広げていくこともあるでしょう。と言うか、何時までも着生し続けることはないのかもしれません。
当然のことですが、このような緑藻類は、植物体がちぎれても無性的に繁殖できます。
 1個の基礎(繁殖体)からは1個の個体が伸びていましたが、図6のように、1個の基礎から複数
の糸状体が伸びているように見えるのは、複数の基礎が集団をなしていた可能性が大です。

 いずれにしても、こんな繁殖体に着生された状態では、完全に除去するのは難しいですね。

 これまで緑藻類についてはほとんど無関心でしたが、繁殖体が他物に着生し、そこに新天地を求め
るという分布の仕方に興味がわき、観察報告をいたしました。

 これ以上深く追求するつもりはありませんが、少なくとも、
(1)この緑藻の種類、あるいは分類群の名称
(2)私が繁殖体と思っているものの本体は何か。また正式名称は何か。
(3)繁殖体の着生の仕組みはどうなっているのか。

くらいは知りたくて、FILEを作ってみました。

 緑藻に詳しい方からのアドバイスをいただければ幸いです。
 よろしくお願いいたします。


石川の植物 FILE131 では画像を12個使って解説してありますのでそちらもご覧下さい。

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