mizuaoiの植物観察事典

139 ネナシカズラの謎?(2010年4月24日)

図1 土から顔(?)を出した。
図2 芽の部分が完全に空中へ出た。
図3 まっすぐ上へ伸び出すネナシカズラ柳の枝のように垂れている
図4 高さ4cmほどまで伸びたものもある。
図5 アメリカネナシカズラではなく、ネナシカズラであることの証拠に、昨年の枯れた蔓を同時に写し込んである。

 昨日(23日金)の寒さとは打って変わった陽気に誘われて、海岸へ行ってみました。
砂の中から、ネナシカズラが力強く発芽してきていました。寒さのせいか今年は、発育が遅いようで、砂から出始めたばかりのものに多く出会いました。これまでは、伸びきったものばかり見ていたので、深く考えていなかったのですが、この丸まった姿を眺めていると、どういうふうにして発芽したのか不思議でなりません。
丸まった右手の少し太く見える方が根になるのです。種子からは、最初に根が出てきます。さて、どういうアクロバットをしたら、図1のような姿になるのでしょう。皆さんも考えてみませんか。
 やっと導き出した結論は、砂の中で、幼植物が、種子からすっぽりと抜け出し、根は地中深くへ、芽は背中を丸めたままで、伸び上がって、地表へ姿を現すとしか考えられません。(石川の植物のネナシカズラのFILEの図14のような姿で、種子からすっぽりと抜け出すのだと思います。よく見ると、幼植物の背中が折れ曲がっていますね。正にこの姿で伸び上がってくるのでしょう。幼植物が折れ曲がっていたのは偶然ではなかったのです。)
では、何故背中を丸めなければならないのでしょう。また、考えてみてね。
砂(土)を押しのけなければならないので、芽の先端(成長点)を保護する作戦なのかもしれません。そうとしたら、ネナシカズラはとんでもなく賢い奴です。掘り出して、地中でどうなっているのかを観察すればよかったのですが、気がついたのが夜になってからなので、後の祭りでした。
 ところで、この場所は、砂ばかりで、近くに宿主となる(寄生できる)植物がないので、これらのネナシカズラの多くは寄生することができなくて、枯れてしまうことでしょう。
そんな悪条件でもこの海岸にネナシカズラが長年生き続けているのは、たくさんの種子から、この後も次々と芽生えてくるからなんでしょう。健闘を祈りたいです。
 石川の植物に「ネナシカズラのFILE」がありますから、併せてご覧になればもっといろいろのことが分かり、皆さんも、私同様、ネナシカズラのファンになること請け合いです。

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