mizuaoiの植物観察事典

126 冬の砂丘 (2010年1月15日)

  1月13日・14日は、各地で豪雪の報告があり、九州にもかなりの積雪があったと聞いて驚いているところです。石川県でも、自宅周辺では、13日の夕方から降り始めた雪が14日の朝には27cmの積雪になっていました。せっかく雪すかしをしたのに、14日も降り続いて、15日の朝には元どおりの雪の量になっており、がっくりしました。
 しかし、海岸の真冬の様子を見るのには最適な条件と判断して、15日に、加賀海岸へ出かけました。晴れたかと思うとみぞれになったり、あられが降ったりでひどい一日でしたが、これまで厳冬期に海岸へ行ったことがなかったので、いろんな発見があって、とても楽しい一日でもありました。
 まず特筆すべきは、冬期の砂の移動のものすごさでした。
 ここ加賀の塩屋海岸は、「石川の植物」のハマゴウのFILEや「知るほどに楽しい植物観察図鑑」のハマゴウの記事にも書いてありますように、1983年に第34回全国植樹祭で、昭和天皇が海浜植物群落を観察された場所で、それを記念した「御立台」が立てられています。その御立台が、多いときには、1年に15cmも砂に埋もれ続けています。その様子も、「石川の植物」のハマゴウのFILEや「知るほどに楽しい植物観察図鑑」のハマゴウの記事に写真入りで解説してありますので、ぜひご覧下さい。
 私としては、非常に不敬なことではありますが、あと10年ぐらいで、御立台が砂に埋もれて分からなくなり遺跡となってしまうだろうという期待で毎年の推移を楽しみに見ていました。ところが、遺跡になってしまうのを憂いた地元の方々が、2008年からは、私の密かな願いを無視して(?)掘り返し始めたのです。毎年4月に掘り返しております。ということは、御立台の近くの砂を杯のように掘りあげて、その真ん中に御立台が立っているという情景です。夏の間はほとんど砂が堆積しないので、左端の写真のように、11月になっても大きなくぼみの中に、御立台が見えているという状態でした。さて、あまりに大きな凹みであるので、何cmぐらい掘ったのか、あるいは角柱が何cm残っているのかを知るために、砂の面すれすれにカメラを構えて撮影したのが、中央の写真です。「御立台」という文字がほぼ残っているというくらいのところまで砂に埋もれていたことが察せられますね。さて、最新の写真を見て下さい。「御立台」という文字のところまで砂に埋まっています。すなわち、11月に見たときには深くえぐれていたのに、この2ヶ月の間に、昨年4月の掘り返す前の状態にまで戻ってしまったということなんです。
 ものすごい砂の堆積ですね。誤解の無いようにお願いしますが、砂丘面が数十cmも高くなったということではありません。凹みのところへどんどん砂が貯まってしまったということなのです。
 いずれにしても、冬の間の砂の移動が並々ならぬものであることはお分かり頂けたでしょうか。
 お話が長くなりすぎましたので、今日はここまでにいたしておきとうございます。

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