(mizuaoiの写真館改題)

(こちらは石川の植物の別館です)


植物生態観察図鑑 おどろき編

全国農村教育協会発行の植物生態観察図鑑シリーズ第1弾です。

 オウレンの性型については、植物図鑑では、雌雄異株とか、両性花と雄花とがあるなど、様々な記述があるが、実際の所は「両性花の株、雄株、雌株、両性花と雄花の混ざった株」が見られる。
 植物図鑑の記述を鵜呑みにするのではなく観察が重要である。
 オウレンの性型についても8ページにわたって詳しく解説。
 右の画像はオウレンの雌株。

など、どんな類書にもない新情報が写真607枚、192ページに納められています。

 

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石川の植物

本ファイルはハマワスレナグサ、キュウリグサ、ハナイバナの比較ファイルです。最後までお読み下さい。

116 ハマワスレナグサ(2019年11月24日)
Myosotis discolor Pers.  ムラサキ科 Boraginaceae ) 
学名は、日本維管束目録植物 北驫ルによりました。
      

 属名の Myosotis は「ハツカネズミ myos」+「耳 otis」の意味で、葉が短くて柔らかいことからの連想(図説 花と樹の大事典 柏書房による)とのことです。種小名の discolor は「分かれると言う意味の dis +色 color 」なので、図1のように、2色の花が見られるところから付いたものでしょう。 
図1 開花中のハマワスレナグサ(2005年5月11日)
花は始め黄色く咲いて、のちに青色に変わるので、2色の花を見ることができる。それが discolor である
図2 ハマワスレナグサの花序
多くのムラサキ科の植物同様、平面的な渦巻き状の「巻散花序」となっている。キュウリグサと違って、開花してから、花序の巻がほどけていく
図3 ハマワスレナグサの群落。果実の付き方が独特だ
図4 ハマワスレナグサの株
図5 葉は下部に集まる傾向があるが、根生葉はない。左方に蕾(つぼみ)を付けた小さな株が3つ見えている。この葉の付き方が独特なので、草むらの中で、若いハマワスレナグサを探し出すのも容易だ
図6 茎や葉には毛が多い
図7 初めて見たとき、左右へ交互に向いた果実の並びが独特なので、図鑑の絵合わせでもすぐに分かった
8 花序は開花してから、巻きがほどけていく
図9 花の構造は基本的にはキュウリグサそっくりだが、はるかに小さい
図10 花のクローズアップ
花冠は5裂し、それぞれ枕のような副花冠を持つ
図11 花が終わった後の萼。曲がった毛がある
図12 果実。4個の分果が見える
図13 分果は光沢に富む。スケールの最小目盛は0.1mm

キュウリグサ  Trigonotis peduncularis (Trevir.) F.B.Forbes et Hemsl.
 
 キュウリグサの属名は、「trigonos 三角」+「ous 耳」からきたもので、おそらく分果の形によるものでしょう。種小名の peduncularis は「花柄のある」の意味です。(図説 花と樹の大事典 柏書房による)
 ハマワスレナグサとは別属ですが、キュウリグサはごく身近にたくさんありますから比較してみましょう。


図14 キュウリグサの株。花茎がひょろひょろ伸びている
図15 キュウリグサの根元
図16 葉の形もハマワスレナグサとは大きく異なる
図17 花冠は澄んだ青色で、中央に黄色の副花冠がある
図18 花の縦断面。黄色の副花冠は花冠の一部が花の内部へ突き出たものであることが分かる
図19 蕾(つぼみ)の縦断面
図20 副花冠部のアップ。花冠の一部が突き出てできたものであることが分かる
図21 キュウリグサ(右)は、ハマワスレナグサ(左)に比べてかなり大型の花だ
図22 花を横から比較した。左:ハマワスレナグサ、右:キュウリグサ
図23 花序はやはり多くのムラサキ科の植物同様、平面的な渦巻き状の「巻散花序」となっている(図2参照)。ハマワスレナグサと違って、花序の巻がほどけてから開花する
図24 果序
図25 花後の萼裂片は、ハマワスレナグサが閉じ気味(図7)なのに対し、キュウリグサでは開く 図26 正面から見ると、分果が見えている
図27 果実の縦断面。分果は四面体形で、一つの頂点に短い柄があって、分果を乗せる台の部分(子盤)に付く
図28 完熟した分果。表面には細かい突起が密生している

ハナイバナ 
 Bothriospermum tenellum (Hornem.) Fisch. et C. A. Mey.

 ハナイバナの属名は、「bothrion 小穴」+「sperma 種子」からきたもので、種小名の tenellum は「非常に柔らかい、とか、細い」の意味です。(図説 花と樹の大事典 柏書房による)

  
和名のハナイバナの語源は「葉内花で、葉の間に花が付く」と説明されていることが多いようですが、そうなんでしょうか?それだったら「葉間花」と言うべきですよね。「葉内花」と呼んだのは別の観点があったのではないでしょうか。花が葉(苞葉)よりも短いので「葉の内側に収まっている花」という意味で使っているように思っていますが。

ハマワスレナグサやキュウリグサとは別属ですが、似ていますから、相違点にポイントを置いてハナイバナを見てみましょう。

図29 ハナイバナの株
ハマワスレナグサ キュウリグサ ハナイバナ
図30 花序の比較
ハマワスレナグサ キュウリグサ ハナイバナ
図31 花の比較
図32 ハナイバナの分果。全面に突起がある
図33 ハナイバナの分果をとりだすと、裏側(内側)は凹み、そこに薄い膜が張って、その膜に穴が開いているように見える。属名の「bothrion 小穴」+「sperma 種子」は、ここから来たものだろう
図34 分果の大きさ比較。  スケールは 0.1mm

文献
木村陽二郎. 1996. 図説 花と樹の大事典:142. 358.493. 柏書房.
米倉浩司. 2012. 日本維管束植物目録:184.185.北驫ル.


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