mizuaoiの植物観察事典

112 アイナエ(2009年10月16日)

図1 芝生の隙間にアイナエが密生している。花序がなければ本体は芝生に隠れてしまっていて見えない。
図2 雄しべが4本で、雌しべが1本のように見えるが、右の果実の写真でわかるように雌しべの子房は2室で、それぞれから伸びてきた花柱が合着しているものであることがわかる。
図3 スケールは1/2mmなので、花の直径は約4mmということになる。
図4 葉は、一見、少数が根生葉のようになっているように見えるが、
図5 数段についていることがわかる。手持ちでの撮影だったので被写体ぶれを起こしている。
図6 株の全体。株の下の方からも次々と花茎が伸びてくる。

 アイナエは、マチン科という聞き慣れない科に属します。
暖かい地方の植物のようで、これまで石川県には知られていませんでしたが、昨年、とある施設の芝生広場で見つかりました。
発見者のイワオモダカさんの情報によって、私も見てきました。
おそらく数千株というぐらいの大群落で、その辺りは茶色っぽくなっていました。
どうしてここに生えるようになったかはわかりませんが、この施設を作ったときの造成地ですから、工事に伴って、どこかからきた「外来種」なんでしょう。そのもとが、石川県内であるのか、県外であるのかが問題で、もし、石川県に元からあったものとすれば、アイナエには石川県絶滅危惧植物としての地位が与えられることになります。しかし、県外から持ち込まれたものであるなら、単なる「外来種」ということになってしまいます。
 ともあれ、とても小さな植物です。花が咲いていなければ(花茎が伸びていなければ)、地表からわずか1cmほどのところに数対の長さ1cmほどの小さな葉がついているだけですから、極めて見つけ難い植物です。花が咲けば、花茎は10cmくらいの高さにまで伸びますから、多少見つけ易くはなりますが、最初に見つけ出されたイワオモダカさんには敬意を表さざるを得ません。
 花が咲いたら見つけ易くなるといいましたが、花の直径は約4mmで、白いので、やはりかなり植物に慣れた目でないと見つけることは難しそうです。ともあれ、石川県ではまだ珍しいものなので、ぜひ見つけ出してお知らせいただけると幸いです。

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